「おみくじ……」


何年か前の話だが、友人たちと某神社に初詣に行った。

友人Aが、「今年の運勢を占う」と言って張りきって、おみくじを引いたら、出たのはなんと「凶!」。春から縁起が悪い。

 

縁起が悪いというのいうので、友人Aはもう一度おみくじを引きに行った。新しいおみくじを持ってみんなのところへ来たので、「早く開けて見ろよ。」と悪友たちが急がした。

 

そうして……見たら、「小吉!」。小吉じゃ納得できないといって、また、3度目のおみくじを引きにいった。

 

「今度は大吉だと思う。なんて言ったって、正月だぜ!」と言いながら、友人Aは勿体つけておみくじを開いた。すると、なんと「大凶!」。2回目で我慢しておけば良かったと、わめき、後悔している友人Aに、回りの人が、「普通、大凶なんて入れてないはずだよ!おかしいなぁ?」と言って、追い討ちをかけるようになぐさめている。が、ぜんぜんフォローになっていない。

「小吉が出たところで満足すればいいものを欲たかりだから、神様が怒ったんだよ、きっと!」と言われていた。

 

怒った友人は、ついに四度目の挑戦にいった。

結果は「凶!」。

 

ここに来て、この友人は、

ついに「あと、この神社には絶対来ない!」と、捨てゼリフを残して、あきらめたのであった。